こんな方におすすめ
- そわそわして気持ちが落ち着かない・不安な気持ちがずっと続いている
- アーユルヴェーダの理論をつかったアロマケアを知りたい
- ヴァータ(風のエネルギー)が乱れている時にオススメなアロマ(精油)を知りたい
- グラウンディングをするのにちょうどよいアロマを買うことを考えている
アーユルヴェーダのアロマとは?
最初にアーユルヴェーダを知らない人、ちょっとだけ聞いたことある人に向けて、アーユルヴェーダのアロマについて軽くご紹介していきます。
(アーユルヴェーダを知っている人は飛ばして読んでくださいね。)
アーユルヴェーダの体質「ヴァータ・ピッタ・カファ(カパ)」は個性を作る
アーユルヴェーダは「ヴァータ・ピッタ・カファ(カパ)」の3つのエネルギーによって体のバランスは作られているといわれています。
人は生まれたときに、「ヴァータ・ピッタ・カファ(カパ)」という性質に個人差があり、それが個性を生み出すのです。
そして、その3つの性質はそれぞれ異なった性質を持っていて、体調不良の時には一部のエネルギーが乱れてしまうというわけです。
人間関係のストレスや、季節の変わり目(特に秋から冬にかけて)、締め切りなどに追われている状態……このような状況は、ヴァータ(風)を乱して、ソワソワしたり不安になったりしてしまうのです。
アーユルヴェーダでは、このように乱れたヴァータを落ち着けるために様々な方法を使って対処し、病気が発症する前の未病の状態で抑えようという考えをもっています。
トリドーシャってなに?アーユルヴェーダを徹底解説!
アーユルヴェーダの病気の段階は6つある!健康までの細かい道
乱れている状態に気付くことで、自分の本来のバランスを取り戻す
アーユルヴェーダのトリドーシャを学ぶメリットは、自分の心や体は今「自分らしくいられているか」ということ。
つまり、ドーシャが乱れていなくて、心が穏やかである状態かを客観的な物差しで判断できるということです。
というわけで、今回はヴァータが乱れたときの心のソワソワや不安感を落ち着かせるための一つの方法として、アロマ(精油)を使用した方法をお伝えしていきます。
ヴァータが乱れているときに必要なのは「グラウンディング」
ヴァータが乱れているときは「グラウンディング」をしたいときです。
「グラウンディング」とは、その名の通り「地に足をつけること」です。スピリチュアルや精神世界のことを良く知っている人は詳しいかと思います。
ただ誤解しないでほしいことは、別に「グラウンディング」はスピリチュアルでぶっ飛んでいるものでも、自分にはできない特別なものでも、宗教チックで怪しいものでもないということ。
グラウンディングとは、「考えや思考がフワフワしてしまってどうしようもない状態」や「何かをしようとしても集中力が続かない状態」といった、「今現在」にフォーカスできない状態を払拭する有効な方法と考えてほしいと思います。
ヴァータが乱れているときとはどんな状態?
ヴァータ(風)とはアーユルヴェーダでは「風のエネルギー」といわれるように、風のように軽く、自由で、その場にとどまらずに動き続けるという性質をもつエネルギーです。
なので、これが増大すると以下のような状態になります。
- 考えていることがまとまらない
- 思考が散漫になる
- 話していることが支離滅裂になる
- 何もしないでいるとソワソワするような気になる
- 未来のことを考えて不安になる
- なぜか知らないけれど恐怖感に襲われる
このように「心ここにあらず」状態がヴァータが乱れているときといってよいでしょう。
なので、ヴァータが乱れているときはヴァータを落ち着ける「地」のエネルギーを持つアロマを利用してみましょう。
ヴァータ(風)の性質は?性格的・身体的特徴を解説!【アーユルヴェーダ】
アーユルヴェーダ的おすすめアロマ①「サンダルウッド(白檀)」
アーユルヴェーダアロマのポイント
サンダルウッドはインド原産のもので、「チャンダル」とサンスクリット語でよばれるものです。そして、その香りは日本人にもよくなじみのある香りです。
よくお寺に行ったときに香ってくるお線香の香りは「白檀」のはず。
そして、これをかぐと、安心した気持ちとともに深く息をすいこみ、おへその下にある丹田(たんでん)当たりが温かくなるような、ジーンと重くなるような安定感を受けられるはずです。
それは、まさにサンダルウッドのグラウンディング力です。
ソワソワ考え事をしていたときも、呼吸や芳香に集中し、それを体に入れて落ち着きを取り戻すというもの。
インドでも昔から寺院で瞑想するときの香りとしてたかれています。その落ち着きレベルが高いことは、5000年もの歴史を持って証明されているわけです。
サンダルウッド(白檀)の心への働き
サンダルウッド(白檀)の心への働きは以下の様なものです。
- リラックスができる
- 不眠から遠ざけてくれる
- 頭痛を和らげてくれる
- イライラを抑えてくれる
- ストレスを解放してくれる
- 集中力を高めてくれる
- 精神を安定させてくれる
このように、日常のストレスが多くあるときは、サンダルウッドを使うとすっとそのモヤモヤしたストレスを緩和してくれるかもしれません。
注意ポイント
気持ちがすでに落ち着いているときや、やる気がない時、落ち込んでいるときにはこの香りは避けましょう。これらの状態は「地」のエネルギーがすでに多くあるときなので、これ以上「地」のエネルギーをとると、体のバランスがさらに乱されてしまいます。
サンダルウッド(白檀)の体への働き
サンダルウッド(白檀)は体に対して以下のような働きをしてくれます。
- こもってしまった熱を出してくれる
- 血行不良の末端の冷えを解消してくれる
- 下痢や膀胱炎の熱を抑えてくれる
- 皮脂の分泌を促し、肌を潤してくれる
- 抗菌作用によってニキビなどの皮膚トラブルを抑えてくれる
- 眠りを深くしてくれる
- 内分泌系全てを調整してくれる
- 風邪の引き始め対策に良い
男性ホルモンに似た成分を多く含んでいるので、催淫効果あるアロマとしても知られています。
内分泌系全てを調整してくれるので、ホルモンバランスが乱れている人にもぴったりです。
また、120ccのお湯にサンダルウッド一滴とカユプテを1滴たらすと、のどの痛みを抑えるのにも効果的といわれています。(精油を口に入れるのは危険を伴うので、自分ひとりでは絶対に行わないでください。)
サンダルウッドを含むオススメアロマブレンド
サンダルウッドは単体でも十分心地の良い芳香浴ができますが、ほかのアロマとブレンドしても新しい香りでリラックスすることができるはずです。
サンダルウッド+ベルガモット⇒落ち込みすぎたくないときにフレッシュなベルガモットを入れるとバランスがとれます。
サンダルウッド+パチュリ⇒オリエンタル系で精神を落ち着けるのにぴったりなブレンド。心が落ち着かないときに。
サンダルウッド+ローズウッド⇒トラウマに触れて落ち着きがない時にしっかりグラウンディングさせてくれるブレンド。
サンダルウッドのお香もおすすめ
アロマが高くてちょっと手が出しづらい場合には、お香でもソワソワした気持ちや今自分自身の心がどこかふらふらしている状態を安定させることができます。
火を使うので、取り扱いには十分注意をして使ってくださいね。また、のどを痛めている場合は、煙によってさらに悪化してしまう可能性もあるので要注意です。
瞑想をするときの相棒にも使えるのがサンダルウッドです。心を落ち着けるのに瞑想をしたいと思ったなら、サンダルウッドを手に入れて、お湯を張ったたらいの中にでも1滴垂らしてみましょう。
心地よいリラックス感あふれる香りに包まれて、一気にグラウンディングすることができますよ。
アーユルヴェーダ的おすすめアロマ②「パチュリ」
アーユルヴェーダアロマのポイント
パチュリはアロマにあまり詳しくない人は「どんな香り?」と思うかもしれません。一言で表すならば「墨汁」に近い香りです。
墨汁と考えると、土っぽい古い木材が少し湿ったような香りを思い浮かべると思いますが、まさにそれに近いもの。そう考えるだけで落ちつく香りという感じはお分かりいただけると思います。
パチュリは、かつて蛾除けや皮膚感染症などに使用されていたアロマです。
さらに、アロマ好きには「独特の香り」といわれて、アロマブレンドをしたときに香りに深みや奥行きを出すのに使われるのに重宝されているアロマでもあります。
パチュリの心への働き
パチュリは土の香りがするように、グラウンディングするのにうってつけのアロマです。サンダルウッドと同じように、心を落ち着けて、不安感を払しょくしてくれる香りです。
- 考えすぎで過剰に働いている思考を緩和させる
- 気を張っている人間ストレスを開放させる
- リラックスさせる
- イライラした気持ちを落ち着けてくれる
- 創造的なエネルギーを上げてくれる
- 不安な気持ちを取り除いてくれる
パチュリの体への働き
パチュリは以下のような体への働きを期待することができます。ヴァータの乱れによって皮膚が乾燥してきたら、パチュリのオイルマッサージをしてみるのも、心と体を整える方法ですよ。
- ニキビなどの皮膚トラブルの緩和
- あかぎれやひび割れなどの乾燥を防ぐ
- フケがでている頭皮の油脂のバランスをとる
- 細菌感染などの予防に使える
- 利尿作用がある
- 旺盛な食欲を抑えてくれる
パチュリは最初に紹介したように、抗菌作用にすぐれているアロマです。なので、皮膚の感染症などには有効といわれています。皮膚に使う場合は、キャリアオイルと一緒に使用するようにしてください。
(キャリアオイルには「ごま油」がおすすめです。)
太白ごま油のキュアリングの方法【アーユルヴェーダ若返りオイルの作り方】
パチュリを含むオススメアロマブレンド
パチュリはオリエンタル系で土臭いようなイメージのアロマですが、甘い香りもあるのでフローラル系のアロマと組み合わせるとさらに深みのある香りになってより一層楽しめます。
どれもヴァータを落ち着けてくれるので、お気に入りの香りをブレンドしてみてくださいね。
「イランイラン+パチュリ」⇒エキゾチックで官能的な香り。ベッドサイドに良い。
「ネロリ+パチュリ」⇒フローラルで明るく、精神を安定してくれる香り。ネロリはビターオレンジの花の香。
「ローズ+パチュリ」⇒エレガントで心休まる香り。幸福感のある深い香りが好きな人にピッタリ。
アーユルヴェーダ的おすすめアロマ③「ゼラニウム」
アーユルヴェーダアロマのポイント
ゼラニウムは月経不順の女性にとても良いとされているアロマです。アロマが詳しくない人でも、一度はこの話を聞いたことがあるかもしれませんね。
なので、更年期で汗が止まらなくてつらいホットフラッシュや動悸息切れ、不安感やイライラ、落ち込みなどのトラブルを緩和させてくれるのにも使えます。
香りも花や草が少し混ざったバラのようなテイストで、幸福感のある多くの女性が好きな香りなので、手作り化粧水を作るのにももってこいのアロマです。
ゼラニウムの心への働き
- 幸福感を満たしてくれる
- ギスギスした心を柔らかくしてくれる
- やる気のない心を少し明るくしてくれる
- イライラした心を落ち着かせる
- 鬱っぽくなった気持ちを和らげる
ゼラニウムの体への働き
ゼラニウムは女性にピッタリな精油といわれているだけあって、お肌をきれいにしたりホルモンバランスを整えてくれたりしてくれます。
気持ちがそわそわした時だけではなく、常用するのもよいですね。
- 月経周期を整える
- 生理前症候群を和らげる
- 月経困難症を落ち着けてくれる
- 催淫効果が期待できる
- 更年期のホルモンバランスを整える
- 神経の流れを整える
- 乾燥肌を抑えてくれる
ゼラニウムを含むオススメアロマブレンド
ゼラニウム+ローズ⇒女性ホルモンのバランスが乱れたときや、「愛されたい」と思ったときに心を満たすブレンド。
ゼラニウム+サンダルウッド⇒瞑想の香りの中に女性らしさを組み込みたいときに入れるブレンド。
ゼラニウム+ベルガモット⇒リラックスしながらも行動のエネルギーを上げたいときのブレンド。
ヴァータ(風)が乱れたらグラウンディングアロマを使ってみよう
今回紹介したアロマは全てヴァータとピッタを減らし、カファを上げるものでした。
つまり、ヴァータとピッタが乱れてしまっているときは、ソワソワしたりイライラしたりしてしまう心や体のバランスになっているということです。
ヴァータとピッタは乱れやすく、乱れてしまうと他人に対して攻撃的になってしまう傾向があるので、コミュニケーションを改善したいと考えいるなら、この2つのドーシャはしっかりとケアしてあげると良いでしょう。
簡単に自分でバランスを整えられるのはアロマなので、普段の生活にいれてみると自分の気持ちも変わって、自然と家族のコミュニケーションも良い方向に変わってくるはずです。
自分で処方できるお薬のような気持ちで、楽しくアーユルヴェーダアロマを日常に取り入れてみてくださいね。
今回紹介したアロマのまとめ