アーユルヴェーダではごま油を使って施術をする際には「キュアリング」をすると良いとされています。そうすることで、ごま油の持つ作用を最大限に発揮し、若返りの効果があるといわれているからです。アーユルヴェーダのホームケアでは必須なごま油のキュアリングを知っておきましょう。
こんな方におすすめ
- ごま油をキュアリングする方法を知りたい
- どのごま油を使ったらいいのか知りたい
- ごま油をなぜキュアリングするか知りたい
- ごま油をアーユルヴェーダではどのように使っているのか知りたい
ごま油のキュアリングの方法
太白ごま油をマッサージオイルとして使用したいと思う人は多くいらっしゃると思います。
普通にオイルマッサージ用のオイルを買うと、非常に高価で、続けるのに困ってしまうことが多いですよね。
しかし、食用の太白ごま油をキュアリングすることによって、ある程度保存のきくマッサージオイルを手に入れることができます。
私もお気に入りのアロマオイルを数滴たらして、このごま油をボディマッサージ用オイルとして愛用しています。
そこで、今回は初心者でも簡単にできるごま油のキュアリングの方法をお伝えしていきます。
用意するもの
- 太白ごま油(今回は450mlを使用)
- 鍋
- 温度計
- ガスコンロ
今回使用するものは「太白ごま油」です。
太白ごま油は生のごまから搾油されたものです。
茶色い中華料理で使用される焙煎ごま油は使用しません。
なぜかというと、皮膚刺激が強いので、オイルマッサージに使用すると痒くなったり赤くなったりしてしまう可能性があるからです。
今回使った太白ごま油はこちら!
今回使ったのはベーシックな「太白胡麻油」です。
香りも少なく、アーユルヴェーダのドクターである蓮村誠先生おすすめのオイルです。
食用で売られていますが、飲んでもいいなら塗ってもOKということで、使用しています!
是非とも使ってみてくださいね!
オイルを全部鍋に入れる
オイルが十分に入る鍋に太白ごま油を全部入れます。
勢いあまってこぼれないように気をつけてくださいね!
この時は火はまだつけません。
100度まで温度を上げる
全部ごま油を入れ終わったら、100度まで温度を上げていきます。
そして、100度~120度の間で温度を保てるように、ガスをつけたり消したりします。
大体20~30分間、100~120度に温度を保つようにしましょう。
熱を冷ます
そのまま鍋の中に放置して、熱を冷ましましょう。
ゴミが入らないようにお鍋に蓋をしてもOKですよ!
ビンに戻す
冷めたごま油を、そのまま一番最初に入っていたビンに戻しましょう!
もし、ほかに何か保存用の瓶があればそれを使用しても構いません!
私はそのまま入っていたビンを使用しています!
オイルが出しやすくて重宝しています。笑
キュアリングしたセサミオイルの使用方法
キュアリングしたオイルは一体どのように使用したらよいのでしょうか。
基本的にはマッサージに使用していきましょう!
せっかくキュアリングしたので。
それでも、食用に使用することもできますので、使いきれないと思ったら食用にしてもOKです!
セルフオイルボディマッサージ
ごま油を使用したオイルマッサージは毎日行えると非常に効果的です。
アーユルヴェーダでは、入浴の前にオイルマッサージを行って、入浴中に十分に汗を出すことでデトックスすることができるといわれています。
確かに、ごま油を使ったマッサージを行った後にシャワーを浴びるだけでも、非常に汗をかく能力が上がったと感じられるはずです。
アロマが好きな方だったら、アロマを入れてオイルマッサージをしてもいいでしょう。
あなたの好きな香りでリラックスしながら楽しくボディケアができちゃいますね。
毎日簡単にできる方法としては、気になる部分を行ってあげたほうがいいということです。
もし便秘に困っていたら、毎日お風呂に入る前にお腹にオイルを塗ってあげましょう。
時計回りにくるくると円を描いてあげるといいですよ。
その日によって、あなたのお腹の硬さや状態がわかってきます。
1週間も毎日行えば、必ず柔らかくなってきて、便秘も軽くなりますよ!
また、体の冷えが気になる人は足をマッサージしてあげましょう。
足の裏にオイルを塗って、かかとからつま先までグーっと圧をかけて流してあげます。
また、かかともぐりぐりしてあげましょう。
足の裏は非常に強いので、手でやると疲れてしまうこともあります。
そんな時は、手をグーにして関節を使ってマッサージをしたり、マッサージスティックなどを使ってもいいですね!
また、頭痛や肩こりが気になる方は、耳をマッサージしてみましょう。
オイルをつけて耳を引っ張ったり、耳に沿って押したりしてみて、自分の気持ち良いところを探すと良いですよ!
目の疲れとかも意外と取れてくれるのでお勧めです。
詳しいボディマッサージについては、こちらでご紹介しているので参考にしてみてください。
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ベビーマッサージ
ベビーマッサージにもキュアリングしたオイルを使用することができます。
ベビーマッサージは基本的に刺激の少ないオイルを使用することがおすすめされています。
薬局で売られているベビーオイルも良いですが、実際ベビーオイルも色々なミネラルが入っているので避けたいものです。
実際に、アーユルヴェーダでは昔からベビーマッサージが行われています。
バリやフィジーでも現在でもココナッツオイルを使用して行われています。
このようなベビーマッサージは、子供との愛情を深めることに非常に役に立ちます。
小さなころは、アタッチメント(愛着)を食事と睡眠と同様に必要とします。
これらは、人間が社会性の動物として生きていく上で必要不可欠な要素なのです。
アタッチメントを形成することは、その子の自信や自己肯定感を高めることにつながります。
これをアーユルヴェーダで示すと、「触」という性質は「風」の性質です。
風はヴァータの性質ヴァータの性質ですね。
このヴァータのバランスを小さいころから整えてあげることで、心が穏やかに成長します。
また、このスキンシップによって、循環器会消化器官、排泄器、そして神経系や免疫の成長を助けてくれます。
ヴァータが乱れていると、反対に不安になったり、小さなことで攻撃的になったり興奮しやすかったりします。
生まれ持ったもともとの性質がありますが、これらの傾向を無視しても非常にアタッチメントの形成は大切なものです。
ぜひともお子さんにこのオイルを使用してやってみてくださいね。
基本的にごま油は「温性」という性質を持っているので、涼しい季節に適しています。
なので、夏場はオリーブオイルなどを使用したほうがいいでしょう。
また、バリやフィジーの様に南国であれば、体を冷やすココナッツオイルでもいいかもしれません。
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アーユルヴェーダのベビーマッサージは子供の才能を開花させる
ゴマ油うがい
ごま油のうがいはアーユルヴェーダでの伝統の方法です。
これによって歯茎を強くしたり、虫歯を予防したり、味覚を研ぎ澄ませたり、口臭を予防したり、さらには白髪を少なくするという効果までもがあるといわれています。
そんな気になるごま油でのうがいの仕方ですが、非常に簡単です。
- 大さじ1~3をすくう
- 口に入れる
- ぐちゅぐちゅという音がするようにしっかりとうがいをする
手順はたったこれだけです。
これを1日1回行えばOKということです。
毎日続けることでこれら期待できる効果が表れてくるでしょう。
なぜキュアリングするのか
アーユルヴェーダにおいて、キュアリングをすることは、「ごま油を浄化するため」と言われています。
「浄化」というと、なんだかスピリチュアルっぽいですが、違います。
きれいにしなくてはいけないんです。
現実に、インドではごま油を使用する際はごまから油を採取する工程から始まります。
なので、それをクリーンにする必要があるので、この工程が組まれているんですね。
そう、キュアリングをすることで、ごま油にもともと含まれている不純物が取り除かれ、その成分が抗酸化作用のある物質に変化するからキュアリングは必要なのです。
ただし、日本で使用されているごま油とインドで使用されているごま油はまず異なります。
インドでは生のごま油を圧搾して、油をとります。
そのあとに、アーユルヴェーダで使用される薬用オイルを作るために薬草を一緒に入れて、それを長くて一週間程度もかけて作ります。
この時にごま油に含まれるセサモリンがセサモールになることによって抗酸化作用がある物質に変化します。
そのためにインドではキュアリングをおすすめしているわけなんですね。
実際に日本の太白ごま油は先ほど紹介したように、「セサミノール」や「セサミン」が多な含用成分です。
なので、特にキュアリングをする必要はありません。
なぜなら、セサミノールにはすでに高い抗酸化作用があるからです。
しかし、キュアリングをする前後ではオイルの質が異なります。
キュアリング前では、少し粘度があり、軽くごまの香りがします。
アロマを入れると非常にわかりやすくごまの香りが邪魔をしてきます。
一方、キュアリング後では、サラサラとした触り心地になり、良く伸びます。
そして、香りもキュアリング前よりもごま感が少なくなります。
また、加熱をしたことによって、中の水分が取り除かれ、保存期間が長くなるのだとか。
(毎日マッサージしていれば大体2~3カ月程度で1瓶は使い切れますが。)
なので、是非ともオイルトリートメント自分でする際は、キュアリングをすることをおすすめします!
そもそもキュアリングとは?
キュアリングとは、白ゴマ油を加熱することによって、中に入っている水分などの不純物を取り除く効果があるといわれています。
今回使用した太白ごま油にはセサミノールやセサミンが多く含まれています。
セサミノール:抗酸化作用がたくさんある
セサミン:コレステロール値を下げたり肝臓の働きを助ける
これらは過熱をしなくても抗酸化作用がある成分です。
しかし、先ほど紹介したようにインドのごま油は、実際にごまから作ります。
日本の様にビンに入って生成されて売られている状態ではありません。
なので、その採取したごま油に含まれるさせモリンという成分が、ぐつぐつと加熱することによってセサモールに変化します。
セサモリンは抗酸化作用がない一方、セサモールは抗酸化作用がある成分です。
ボディマッサージをするにはセサモールに変わったものが良いといわれています。
抗酸化作用があることで、人間の体が酸化せずに若い状態を保ったままでいられます。
これが、5000年の歴史をもつアーユルヴェーダでも、このごま油が若返りに効果があるといわれてきた理由です。
アーユルヴェーダで使用されるオイルでは、すでにキュアリングという工程が薬草を一緒にする中で含まれていたんです。
なので、「浄化のため」ということで、キュアリングをするようにといわれているのではないでしょうか。
アーユルヴェーダで使用されるのは基本的にセサミオイル
アーユルヴェーダが若返りの科学と言われているのは、キュアリングされたセサミオイルがベースオイルとして使用されていることも理由に挙げられます。
アーユルヴェーダでは基本的にごま油とひまし油が優れているといわれています。
そして、チャラカサンヒターでは、以下の様に言われています。
植物性油(ごま油)はヴァータを鎮静するが、同時にカファを悪化させない。そして体力を増進し、皮膚によく、温性で、体を丈夫にし、女性生殖器を浄化する。
(引用:チャラカサンヒター第13章15節)
ごま油を使用してオイルマッサージをすることで、体の中にたまってしまったヴァータを落ち着けてくれる役割をするんですね。
ヴァータを落ち着けるには、ヴァータの「乾燥、冷たい、早い」などと反対のことをしてあげると良いでしょう。
その一つにごま油を使用したマッサージがあります。
ごま油はチャラカサンヒターで言われているように、温性です。
これは冷たいという性質の反対のものですね。
また、オイルを使用することは「乾燥」と反対の性質を体にいれることになります。
そして「早い」というところでは、マッサージをするときにゆったりとしたストロークを心掛けていくと良いでしょう。
ヴァータは現代社会では非常に乱れやすいドーシャです。
常に動き回ったり忙しくしたり、食事中もスマホをいじっていたり、寝る前もスマホとにらめっこをしていたり……。
これらの事柄は、ヴァータドーシャを見事に増やしてしまって、頭痛や肩こり、腰痛などの不定愁訴となって表れてしまいます。
そして、なかなか運動を生活習慣の中に取り入れていない人が多いために、体が冷えている人が多いのです。
デスクワークで空調のきいた部屋にずっと座っていることは、体の循環を止める、つまりヴァータを乱すことにつながります。
立ち仕事の人も同様で、ストレッチなどを合間あいまに自分で入れない限りはずっと足もとに血液が溜まってしまいます。
そうすることで、体の循環が正しく行われなくなり、結局ヴァータが乱れてしまうことになります。
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【アーユルヴェーダ】ヴァータが乱れたときの症状はコレ!
いずれにせよ乱れてしまうヴァータです。
なので、現代社会で働く人はごま油を使用してマッサージを行うことをお勧めします。
先ほど言ったようにごま油は体を温めて、ヴァータを整えてくれます。
頭痛や筋肉痛、神経が過敏になっている人や不安になりがちな人、そして、不眠に悩んでいる人にもおすすめですよ!
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ゴマ油のキュアリングは必要不可欠ではない
ゴマ油自体のキュアリングは実際に必要不可欠な工程ではありません。
特に、自分自身に使うオイルならそこまで神経質にならなくても良いというのは実際のところ。
ただ、やはり使い心地などを考えると圧倒的に、キュアリングをしたものの方が使用感は良いです。
なので、ひと手間加えてキュアリングをしてみてくださいね。
また、白ゴマ油は「太白ごま油」以外にもたくさんあります。
それぞれの使用感を試してみて「自分に合っていそうだな」と思うものを使っても良いでしょう!