アーユルヴェーダは日本人に合わないのではないかという不安や疑問を持たれる方が多いです。
しかし、実際はインドをはじめ、日本でもアメリカでもどこでも応用することが可能な考えです。今回はアーユルヴェーダが日本人にも合わないのではないかという疑問を解決していきます。
この記事の内容
- アーユルヴェーダが日本人に合わないと誤解される理由
- アーユルヴェーダは古今東西、応用できる
もし、アーユルヴェーダに興味を持っているなら、その考え方を少しでも良いので知ってほしいと思います。
そして、アーユルヴェーダ仲間が増えてくれたらとてもうれしく思います。
アーユルヴェーダが日本人に合わないと誤解される理由
アーユルヴェーダは、普遍的な科学です。アーユルヴェーダが発生したといわれている5000年前と現在でも同様に使われるものです。
あえて言い換えるなら「元素記号」の昔バージョンということ。
私たちは、水という物質は水素原子が2つと酸素原子が1つの組み合わせで物質ができている、と考えることと同じです。
そのH2Oという概念を古代のインドの言葉で表したものがアーユルヴェーダといえます。
水は古代インドでも現代の日本でも同じH2Oですよね。
しかし、アーユルヴェーダを知らない人が「アーユルヴェーダは日本人に合わないだろう」と考えてしまう理由はいったいなんでしょうか。
- 5000年前も昔のことだから
- 哲学や考え方が現代とは異なるから
- 日本とインドの環境は全然違うから
- 料理にスパイスが多く使われているから
たいだいこのような考えが浮かび上がってくるはずです。
では、それぞれに対してアーユルヴェーダも日本人にも合うよ、ということを語っていきます。
アーユルヴェーダの誤解①5000年前も昔のことだから日本人に合わない
5000年前のことなので、実際にアーユルヴェーダの文献を見ても現代にそのまんま当てはめて考えることができないシチュエーションもでてきます。
例えば「隣人の牛は盗まない」とか「水銀は薬だ」とかです。
現代の日本では酪農家ではない限り隣人の牛は見当たりませんし、水銀は毒です。
そのため、現代の日本人にはアーユルヴェーダはあまり適さないのではないかと考えられることもあります。
ですがアーユルヴェーダは、人間の生命の本質的な要素を様々な角度(5大元素、トリドーシャ理論、7つのダートゥ、マラ、生命の三位一体性など)から理論だてて語られています。
人類の自然との調和を考え、その与えられた人類の寿命を充実して全うするにはどうしたら良いのかが書かれているものです。
これは、人間以前の「ヒト」という動物の行動学や生理学、薬学、解剖学、哲学など、長い年月をかけて観察して見つけ出された法則です。
そのため、現代の科学的研究結果によって変化する内容は多少あっても、基本的な概念は変化しないのです。
そして、実際に現在でもアーユルヴェーダの薬を処方されて飲んだりトリートメントを受けたりして、体調が良くなる事例は数多くあります。(ただし、薬に関しては現代薬学で使われていない鉱物なども使用されている可能性があるので注意は必要です。)
それだけでなく、アーユルヴェーダの医学の中に「季節の過ごし方」や「日常の過ごし方」を行うことで、体を病気に導かない方法として注目されています。
特に生活指導的な部分は、現代医学・科学でも様々な研究結果がでてきて、アーユルヴェーダの有効性が裏付けられています。
それは、5000年の歴史を持って根本的な人間の生き方が語られているからと言えるでしょう。
アーユルヴェーダの誤解②哲学や考え方が現代とは違うから日本人にあわない
哲学や考え方が現代と異なるということは当然です。というか、哲学はみんな違います。
100歩譲って考え方は違うから受け入れられないという場合、なぜ孔子やニーチェの本はあんなに売れているのでしょうか。
それは、おそらく昔のもので語り継がれるべき普遍的な考えで、現代でも役に立つと思うからでしょう。
アーユルヴェーダというと「ヴァータ」「ピッタ」「カファ」や「アグニ」などという言葉が出てきて、拒否反応を示す人もいるかもしれません。
私もアーユルヴェーダを勉強し始めたとき、これらの言葉に抵抗感がありました。
しかし、人間の体のアンバランスな状態や自然のバランスをこの言葉で説明することができるのです。
現代医学では「消化酵素」というと口内のアミラーゼ、マルターゼ、胃内のペプシン、リパーゼ、すい臓内のアミラーゼ、マルターゼ、リパーゼ、トリプシン、キモトリプシンなどがあります。
これをアーユルヴェーダでいうとアグニ(消化の火)です。
現代医学のようにどんな消化酵素があるのかというミクロな世界を見なくても、人間の体調を整えるのにはどうしたら良いのかという目的に元には、アグニという概念があれば(実際はもっと詳しくありますが)対処できます。
それは、言葉や考え方は違っても、同じものを違う角度から見たというだけで、人体に変わりありません。
健康に生きるという目的を同じくした現代医学とアーユルヴェーダで物事の見方や言葉は多少異なっても、最終的に行き着く場所は基本的に同じです。
しかし、やっぱり違うこともあります。
現代医学では病気の原因はウィルスや細菌であるとか、外来的なものを攻撃して倒して体のバランスを整えるという考えがあります。(もちろん、免疫力に関しても唱えられていますが、それは薬を使って退治する医学とは少し違うので、別枠と考えられてしまうことがあります。)
一方アーユルヴェーダは、病気が引き起こされる理由は、体のバランスがとれていないからだと考えられています。(未病の段階でもケアが必要といわれるのは、病気の発症以前にも不調が現れるのが理由です。)
なので、細菌炎症には抗生物質を投与(現代医学)が適切だし、細菌感染を起こさない体を作るためには日常の過ごし方(アーユルヴェーダ)が大切になってくるわけです。
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アーユルヴェーダの誤解③日本とインドの環境が全然違うから日本人に合わない
日本とインドの環境が全然違うから、日本人にアーユルヴェーダは当てはまらないのではないかと思うこともあるはずです。
確かに季節では日本は四季があり、インドはモンスーン気候で乾季と雨季です。(アーユルヴェーダではインドの季節は6つといわれていますが。)
これに関してはアーユルヴェーダのインドの概念をそのまま日本に当てはめることはできません。
そうすると、季節に合わせた生活を推奨しているアーユルヴェーダは日本人に合わないということになります。
しかし、安心してください。
アーユルヴェーダには様々な法則があるので、日本の季節にもそれを当てはめることができます。
春はカファ(水)、夏~秋はピッタ(火)、秋~冬はヴァータ(風)のようにです。
トリドーシャにはそれぞれ性質や5大元素があてはめられるので、日常の生活にそれを応用できます。
また、それぞれの季節の中にも、日本人はピッタリな過ごし方、楽しみ方を知っていますよね。
春はあけぼの、花見。夏は夜、月見。秋は夕暮れ、鈴虫、サツマイモ。冬はつとめて、霜がキラキラ。
私たち日本人がこのようにインドから伝わってきた季節の過ごし方から影響を受けたのか、それとも自然の知恵をそのまま文にしたのかは定かではありませんが、このような感性はありますよね。
これは、心穏やかに過ごすアーユルヴェーダの季節の過ごし方にも共通するものがあります。
以上のように、季節をどのように感じてどう過ごすかについて、アーユルヴェーダでは法則化されています。
地球にいる限りは、アーユルヴェーダの法則を当てはめることができます。
アーユルヴェーダの誤解④料理にスパイスが多く使われているから日本人に合わない
「料理にスパイスが多く使われている(そんな気がする)から、アーユルヴェーダは日本人に向かないはずだ!」
これは実際にアーユルヴェーダで食事のケアをしたいと思っている人は最初にぶつかりやすい壁です。
インド人のアーユルヴェーダドクターやインド料理研究家が出版した本には、スパイスをふんだんに使った料理やチャパティなどと合わせて食べるものが書かれています。
しかし、実際に日本にいる私たちにとって、インド料理のようにスパイスを使った料理は日本人に合いません。
なので、アーユルヴェーダの知識である「その土地と矛盾しない食べ物を食べる」を実践すればいいわけです。
具体的に言えば、その土地でとれた食べ物や伝統的な食べ物を食べるということ。
私たち日本人はみそやしょうゆ、海藻類、穀類、野菜などをメインにして先祖代々生きてきました。
なので、これに合わせた食べ物を食べればよいということです。
幸いながら、日本人は食べ物の歴史は長く、それぞれの土地で伝統的なものが存在しています。
それは、おばあちゃんの知恵袋(アーユルヴェーダと一緒です)で、その土地で生きるその人の体のバランスを整えるものです。
その中で、アーユルヴェーダでいわれている食べ合わせの悪い食べ物を、一緒に食べないようにするということを注意すれば問題ありません。
そもそも、5000年前のインドの人も今と同じ食べ物を食べているわけではないし、インドといっても場所によって食習慣は全く異なります。
なので、日本人がインド人の真似をしてスパイスを食べる生活を取り入れなくてはいけないということではありません。
安心して、季節の日本食を味わいましょう。
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【アーユルヴェーダ】食べ物を選ぶ上で大切なことは?全体質向け
アーユルヴェーダは古今東西の知恵!日本人合わないのは誤解
アーユルヴェーダは古今東西応用できます。
日本人には合わないという概念自体も、アーユルヴェーダの考え方とはそもそも当てはまりません。
人間はそれぞれ違い「日本人」とひとくくりにできるものではないからです。
なので、日本人だからアーユルヴェーダはできないのかもしれないという不安がある場合には安心してください。
人間はひとりひとり違うという前提で、どのように過ごせばいいのか、その人はどのような体質なのかを見て、どのように生活・ケアをすればいいのかを考えるのがアーユルヴェーダです。
インド人でも、同じ人はいません。
「全人類全員違うよね、でも人間は120歳まで生きられるっぽいから、あなたバージョンの健康寿命を全うするためにどうしたら良いのか知っておこうよ」ということを、ヴァータやピッタ、カファなどの言葉を使って行うわけです。
アーユルヴェーダは実際にアメリカでも日本でも様々な国でクオリティオブライフを上げるために実践されています。
それは、普遍的な概念であるということの証明にもなっているのではないでしょうか。
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アーユルヴェーダの考え方からスピリチュアルなことまでお話していますよ。
アーユルヴェーダ仲間が増えること、楽しみにしています!