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ピッタ(火)

アグニって何?消化力アップの方法も解説【アーユルヴェーダ】

ゾウちゃん
ゾウちゃん
アーユルヴェーダではアグニ?消化力?っていう言葉があるみたいなんだけど、それっていったい何のこと?
アーユルヴェーダでアグニは消化力のことよ。でも、ただ食べ物を消化することだけじゃないの。
ロータスちゃん
ロータスちゃん

アーユルヴェーダのアグニ(消化力)について、初心者でもわかりやすいように解説しています。

この記事の内容

  • アーユルヴェーダの「アグニ」って何?
  • アグニ(消化力)が低いと「アーマ(毒素)」が発生する
  • アグニ(消化力)には13種類と4つの状態がある
  • アグニを活性化し消化力アップする方法3つ
MISAKI
MISAKI
アグニ(消化力)のことを理解すれば、どんな食事方法・運動がいいかが自分でわかってくるはずです。ぜひ最後まで読んでくださいね。

アーユルヴェーダの「アグニ」って何?

アーユルヴェーダでは「アグニ」という概念が登場します。

人間が命を繋いでいくのに必要な食べ物を消化・吸収・排泄する一連の流れを、アーユルヴェーダでは「消化力」と言います。

アグニはその消化力を司るエネルギーのようなものです。現代科学と合わせて説明するとどのようなものになるのでしょうか。

こちらでご紹介していきます。

アグニは「消化」と「代謝」のこと

アグニは「消化力」を司るエネルギーのことです。

一言で「消化力」といっても、アーユルヴェーダにおける「消化力」と現代の「消化」とは少し異なります。

アーユルヴェーダの「消化力」というのは、人間が食べ物を摂取して、それを吸収しやすいように分解をし、吸収し、新しい細胞へと作り上げ、要らないものは捨てる(排泄する)、という一連の流れのことを指します。

なので、アグニがうまく働かないと、便秘になってしまったり、下痢になったりするのもこの「消化力」という大枠の中で物事を見ているからです。

アグニが正常だと「オージャス」が作られる

アグニが正常に働いて、食べたものがしっかりとその人のエネルギーになると「オージャス」というものが作られます。

「オージャス」とはアーユルヴェーダにおいて生き生きとした生命エネルギーのことです。ヨーガだと、プラーナと呼ばれます。

オージャスは簡単に言えば「生命力」のようなもので、いつもキラキラと輝いて何かをしている人はオージャスに満ち溢れている人と言えるでしょう。

このオージャスを増やすには、新鮮な食事をしたり、良いことを見聞きしたり、心に静けさがある状態を見つけることがあげられます。

人間の体は食べ物によってつくられますよね。なので、その食べものが新鮮で、かつ、アグニ(消化力)が高い状態で食べたほうが、活き活きとした体になることができますよ、(=オージャスが高まる)という考え方です。

せっかく食べるのならば、おいしいものを食べて、しっかりと吸収して、状態の良いからだを維持していきたいものですよね。

オージャスを増やすには?

なんだか素晴らしそうな「オージャス」はどのように増やせばいいのでしょうか。

アーユルヴェーダの考えでは3つの方法があります。それは以下の通りです。

  1. オージャスを増やす食べ物を食べる
  2. オージャスを増やす方法で食事をする
  3. ラサーヤナ(強壮長寿法)を行う

これらを簡単に言うと、「新鮮で滋養のあるものを、食物や自然界などに感謝しながら食べる」ということです。

オージャスを増やす食べ物というのは、「サットヴァ(純粋性)の高いもの」です。サットヴァの高いものを食べてあげると、心と体が喜び、オージャスが増えます。

MISAKI
MISAKI
「オージャスを増やす方法」や「サットヴァについて」の記事は以下を参考にしてみてくださいね!

参考

オージャスが減ってしまうこととは?

生命エネルギーであるオージャスはできるだけ体にとどめておきたいものですよね。

それでも、日常の簡単な習慣でせっかく消化されたオージャスが減ってしまうことがあります。

  • タバコを吸うこと
  • アルコールの取りすぎ
  • 怒り・悲しみなどの否定的な感情
  • 過労
  • 過剰な性行為
  • 食生活の乱れ(コンビニ食、加工食品の大量摂取、スマホをいじりながらの食事、調理後長く放置したもの)
  • 食べすぎ
  • 酸味や塩分が多いものの過剰摂取

以上のものがオージャスを減らしてしまう行動や食生活です。

これを見ただけでも、何となく「体に悪そうだな」と思っていただけたと思います。

これらの行動や感情の動きはオージャスが減ってしまうだけでなく、心や体の未消化物、つまり毒素である「アーマ」を生み出してしまいます。

アグニ(消化力)が低いと「アーマ(毒素)」が発生する

一方、消化力であるアグニが低いと「アーマ」が発生してしまいます。

アーマとは未消化物、すなわち毒素のことです。

アーユルヴェーダの考えでは、7つの組織(ダートゥ)が存在しています。7つのダートゥは人間の体を維持させるための組織です。

アグニがしっかりと働いて消化がうまくいくと、オージャスが生まれて心も体も活き活きとした活動を送ることができます。反対にアグニの働きが悪いとアーマ(毒素)が体内に蓄積されてしまいます。

アーマが溜まることによって、人は体調不良に陥ってしまうというのがアーユルヴェーダの考え方です。

アーマが溜まるのは簡単に言えば、便秘になったり

アグニには13種類と4つの状態がある

アグニにはそれぞれの内臓で働く13種類の酵素のような働きをするアグニと、「ヴィシャマ」「ティークシャナ」「マンダ」「サマ」という4つの状態が存在します。

13種類のアグニに関しては、口内や胃、十二指腸や小腸などでそれぞれ働いている酵素の様なものと考えてください。

それぞれが自分の場所で、口の中から入れられた食物を体のエネルギーにするべくせっせこ働いています。

しかし、人のドーシャによってそれぞれのバランスが崩れて、アグニの働きが正常でなくなってしまう状態になることがあります。

その4つの状態は以下の通りです。

ヴィシャマ

ヴァータドーシャが優位になったときは、アグニが不規則になってしまいます。そして、腸が硬くなってしまって、ちゃんと働かなくなってしまいます。

その結果として、便秘になります。

ヴァータドーシャが優位になるときは、働きすぎていたり、話しすぎていたり、乾燥している環境にいたりしたときです。

例えば、毎日忙しくして睡眠時間は短く、寝不足の状態が続いているのに仕事があるのでなかなか休めない状態です。さらに、昼食時にはスマホをいじりながら食べ、常に頭を動いているような状態です。

それでは、「動く」という要素がどんどん体の中に蓄積されてヴァータが乱れてしまうんです。

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ティークシャナ

ピッタドーシャが優位になったときは、消化の火が強くなってしまうと、ティークシャナの状態になります。

消化の火が強くなりすぎてしまうと、本当はしっかりと体のエネルギーになるところが、固定されずに外に出ていってしまいます。

この状態が下痢やお腹が緩くなってしまっている状態です。

ピッタが増加するのは、仕事などでプレッシャーのかかる状況にあるときや、辛い物やアルコールを摂取した時などです。

また、パソコンでずっと目を使用しているときもピッタが上がってしまいます。

この場合は水や果物を摂取して、しっかりと心と体を落ち着ける時間を作るように意識してみましょう。

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マンダ

カファドーシャの優勢により、消化の火はマンダになります。マンダは消化の火が緩慢になってしまっている状態です。

カファドーシャは外出しないでずっとゆっくり過ごしていたり、やることがあるのにやる気が出ない状態であったりするときに、バランスが崩れてしまいます。

連休で寝すぎてしまったりしたことはありませんか?そのあとは、何となく何もやる気が起きなくて「ぼーっ」と一日を過ごしてしまうことがあるでしょう。

その状態は体全体の流れが緩慢になってしまって、消化力も通常より遅くなってしまっている状態です。

この場合は、お白湯を飲んだり、体を動かすなどして、「動く」要素や「温かい」要素をしっかりと取り入れるようにしましょう。

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サマ

体内のヴァータ・ピッタ・カファのドーシャの均衡が保てているとき、「サマ」というアグニのベストな状態が得られます。

自分の持っているトリドーシャのバランスが、自分の中でしっかりとバランスが取れている状態です。

その時は、お通じはすっきりとストレスなくでて、体内を通っていった食べ物はしっかりとあなたの栄養になっています。

この時は、体が軽く感じられて、必要以上に無駄な動作はなく、反対に行動できないということもなく、あなたの体をあなた自身がしっかりとコントロールできている状態です。

あなたがしていた行動や食べていたものなどを確認して、できるだけその状態を保つようにしましょう!

心と体のバランスがとりやすくなっているとてもいい状態です。

アグニは心も「消化」する

実はアグニは、心も「消化」することができます

アグニは身体的なものだけではありません。目や耳などの感覚器官を通じてあなたの中に入ってくる情報から発生した「感情」などを「消化」する役割があります。

アーユルヴェーダでは、「心と体はつながっている」という考え方が基本的なものです。精神的になにかもやもやを抱えている状態では、体の動きはどこかおかしくなってしまうということも言われています。

これは、アーユルヴェーダだけでなく、現代医学でも証明されていますよね。例えば、気持ちが落ち込んでいるときに「何も食べたくない」と思ってしまっている状態などです。

このような時には、しっかりとあなたの体のアグニを活性化してあげましょう!

トラウマを解消するアグニ

アグニは心で感じたことを「変換」して「消化」することができます。これは、体だけでなく心で起きることも同じです。

なので、あなたが体験したことをいまだにフラッシュバクの様に思い出してしまうようなPTSD(心的外傷後ストレス障害)は、あなの心の消化する能力以上のものが蓄積されてしまった状態です。

心に残ってしまったわだかまりや、自分の記憶の中の嫌なとらわれをアーマと呼ぶのであれば、その認知を変えるセラピーをして癒してあげることが大切です。

これを解消する方法は、やはり身体的なアグニの状態をよくしていくことが大前提となってきます。

心のアーマに要注意

日常の小さなことでも、心にアーマ(未消化物)が溜まってしまうことがあります。

「あの時、パートナーにあんなことを言われた」「会社で理不尽なことをされた」と、頭の中でもやもやとずっと考えていることもありますよね。それは、心の中でアーマが存在している証拠です。

そんなもやもやにいち早く気付いてあげることが、あなたの体に健康を取り戻す方法です。

この時にいい標準になるのがアーユルヴェーダのトリドーシャ理論です。

「イライラしている!!」と思ったら、ピッタが過剰になっています。その時に、「あ、私は今、ピッタが乱れている!!」と感じることが大切なんです。そうすれば、ピッタのバランスをとるにはどうしたら良いのかということがわかるからです。

また、ピッタが乱れた心の状態は、嵐の時の大海原のように大きく波打ってしまっているので、「真実」を見失っている可能性があります。

水面があなたの心で、それに映る太陽があなたの心に反映される真実だとしたら、その水面が大荒れだと本当の姿が見えなくなってしまってしまうからです。

なので、自分を知るためにトリドーシャ理論を身に着けることは非常に効果的で、さらに自分をコントロールすることで周囲とのコミュニケーションがうまくいくという副産物もついてくるんです。

アグニを活性化し消化力アップする方法3つ

それでは、気になる「アグニを活性化させる方法」とはどういったことでしょうか。

アグニを活性化させるためにできる簡単な方法は、以下の通りです。

  • 適度な運動をする
  • 瞑想をする
  • 食事を軽くする

これらについてご紹介していきます。

適度な運動をする

運動をすることはアグニを活性化させる方法です。

アーユルヴェーダの古典書である「チャラカサンヒター」では、運動とアグニに関して以下の様に語られています。

運動をすることで、身体の軽さや仕事の処理能力、持久力、困難に対する忍耐力、ドーシャの減少、アグニの活性化が得られる。

(引用:チャラカサンヒター|第7章32節)

そんなこと言われても、運動なんて毎日忙しくてできないよ……と思っている人も多いかもしれません。しかし、です。

スマホをいじっている時間があれば、本当はお外に出てちょっぴり汗がにじむくらいのウォーキングをした方がかなり健康になれるんです。

人間というのは、体が動いているときは、基本的に脳みそは体を動かすことに集中しています。なので、辛いことや悲しいことがあったときは、是非とも体を動かしてみましょう。

外に行かなくでも大丈夫です。時間がなければその場に座って開脚をして、体を横に倒してスーっとあなたの呼吸に集中してみましょう。これも非常に効果的です。

 

日本で有名なヨーガも、本来は「自分の精神の活動をストップさせるために行われる体操」なんです。ヨーガ自体は哲学のことです。ヨーガ体操はその哲学を実行するために精神をコントロールするための1つの手段に過ぎません。

アーユルヴェーダも同じです。「健康に生き抜くため」、そして「幸せな人間関係」を築くために使う一つの手段です。

なので、方法にとらわれず、とりあえず心がざわざわ言わなくなるようになるために、そして、体のアグニ自体も上がるように、しっかりと運動をしてみましょう。

瞑想を行う

アグニを活性化させるには瞑想を行うのも良い方法です。

「瞑想」というと難しい感じがするかもしれませんが、ただ、テレビやスマホ、パソコンを消して、胡坐をかいているだけでもOKです。

あぐらをかいて5分目を閉じて座っているだけでも、終わったらすっきりする感じが得られます。

実際に、瞑想の目的である「心を停止させる」ということはできなくても、今日あったことがぽーんぽーんと頭の中に浮かんできては、それを捨てるということをするだけでOKです。

「私は今、会社のことを考えているんだな~」と思ってあげましょう。そのように、自分自身の考えを俯瞰して見られる時間があると、非常に心が軽くなることができます。

瞑想は体のバランスも整えてくれますが、心のバランスを整えるのにピッタリの方法なんです。

食事を軽くする

食事を軽くすると、それだけで胃腸の負担が軽くなるのは口にしなくてもわかる周知の事実だと思います。

しかし、これ非常に大切なんです。

現代では、お菓子やコンビニ食など、食べようと思えばすぐに手に入る食材があらゆるところにあります。そのため、そこに入っている添加物によって体のバランスが崩れたり、簡単に入手できるために食事の時間がバラバラになってしまうことがあります。

これによって、本来の食事の時間以外にも食べ物を摂取することによって、あなたのアグニの働きをおかしくさせてしまう要因になってしまうんです。

なので、その乱れた食事のリズムを正すために、食事を軽くしてみましょう。その時の食事内容は消化の良い野菜が煮込まれたおじやなどがおすすめです。

もし、カファが乱れてしまっていて、腔内がべたべた甘い感じがしてお腹が重いなーと感じるようであれば、食事を一食抜いてしまってもいいでしょう。

アグニを燃やして健康に生活しよう!

アグニについてなんとなくお判りいただけたでしょうか。

アグニは消化力で、体内に入ってきた食物や、目や耳から入ってきた情報を消化するエネルギーのことです。

これらをしっかりと働かせていけば、あなたの体はオージャスに満ち溢れて、活き活きと生活できるようになります。

なんだかお腹が重い、便秘がちかもしれない、お腹が下し気味だ……。そんな時はあなたのアグニが乱れている可能性が非常に高いので、しっかりとケアをしてあげましょう!

人はどうしても体の調子が悪いと、心の調子も悪くなってしまいます。

心の調子がすぐれないと、何となく人間関係がうまくいかなくなったり、日常が楽しく感じられなくなってしまうことが非常に多いのです。

なので、しっかりと心と体のバランスを保って、あなたらしく生活できるようにしていきましょう!

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