アーユルヴェーダの食事方法は、まず健康な人全体に向けてどのように食事をすればいいのかという、基本的なことが語られています。
その内容を知っておくことで、自分のドーシャ(体質)に合った食べ物を選ぶ時の大きなヒントになるはずです。
この記事の内容
- アーユルヴェーダの食事の目的
- アーユルヴェーダの健康的な6つの食事方法
アーユルヴェーダの食事の目的
そもそも食事って何のためにするの?ということから、アーユルヴェーダでは食事について語られています。
食事といって私たちがイメージすることは、お皿に盛られた料理を食べることです。
が、実際食べるという行為自体は、口に草や肉などの物を入れるもの。
それを踏まえて、アーユルヴェーダの食事の目的を最初にシェアしていきます。
アーユルヴェーダの食事は健康増進と長寿の達成
アーユルヴェーダの食事の目的は、健康増進と長寿の達成です。
アーユルヴェーダの本来の目的であるものとほとんど同じです。
アーユルヴェーダは、有益な人生、有害な人生、幸福な人生、不幸な人生、寿命をよりよくするものと悪化させるもの、寿命の長さ、そして生命の本質を取り扱う。(第一章41節)
―チャラカ・サンヒター
アーユルヴェーダの経典チャラカサンヒターではこのように、様々な日常生活(睡眠、食事、性行為、運動など)について書かれています。
その中でも人生の質を高めて、大切な人と生き生きと生活していくのに重要なのは食事です。
心と体の満足度を高める食事方法はアーユルヴェーダの実践
アーユルヴェーダの食事の目的はわかりましたが、それを達成するためにはどうしたらいいでしょうか。
食事の栄養バランス?新鮮さ?一家団欒?
どれも大切ですが、最も重要視されるのは、心と体の満足感を高める食事をすることです。
なぜなら、体が満足すれば心は喜び、心が満足すれば体のバランスは整いやすくなるからです。
心と体はつながっているからですね。
食事をするのに「○○という栄養素をとらなくてはいけない」と脅迫観念に縛られていると、それだけで食事に対する満足感が得られづらくなってしまいます。
摂取する食べ物に関して真剣なのはもちろん大切なことですが、それに神経質になりすぎないようにしましょう。
アーユルヴェーダの健康的な6つの食事方法
アーユルヴェーダにおいて、食事で心と体の満足感を得られることが最も大切です。
これはどのドーシャ(体質)の人でも同じ、基本的なことです。
栄養摂取やお腹を満たすことはとても大切ですが、それだけでは気持ちが満たされません。
気持ちは体を支配している部分でもあるので、それを満足させてあげることで消化機能が上がるかどうかも左右されます。
食事方法①規則正しい食事
アーユルヴェーダでは最も大切といわれるのが、毎日同じ時間に食事をすることです。
その理由は体のリズムを作ってあげることで、体内に食物が入ってきたときに、正しく消化されやすくなるからです。
食事・消化・吸収・排せつのリズムが整うと、アーマ(毒素)が体に蓄積されることなく、持ち前のドーシャバランスが整ってくれます。
すると、病気もしにくくなり、体も心も元気に生きていくことができます。
このリズムを作ることこそが、自然の流れに逆らわずに生きていくことであり、生活習慣のストレスを軽減させることができるわけです。
不規則な食事はヴァータを増やしてしまい、健康に良くありません。できる限り食事は決まった時間に取るようにしましょう。
食事方法②適量をたべる
アーユルヴェーダの食事で次に大切なのは「適量を食べる」ということ。
その適量は「腹八分目」です。
アーユルヴェーダでは胃袋の2/3くらいの量を食べられると良いといわれています。そうすると6~7分目程度ですね。
さらに「1:1:1=空間:水分:食物」の割合で食べてあげると、消化が良くなるといわれています。
このように言われていることから、満腹になるまで食べてしまうと、空間が無く、胃の中でうまく食べ物が混ざらずに消化に悪影響を与えてしまうわけですね。
消化がきちんとされないと、アーマ(毒素/未消化物)になってしまうので、ドーシャバランスが崩れる原因となってしまいます。
食事方法③消化されてから次の食事
あなたは消化されてから次の食事を食べていますか?
前の食事がちゃんと消化されてから(できればお腹がグ~となってから)次の食事を食べるようにしましょう。
決められた時間に食べてはいるものの、別におなかが減っていないけれど食べてしまっているということもあるかもしれません。
その場合、新しい食事と前の食事が混ざり合ってしまい、消化器官に悪影響を及ぼして、栄養素が吸収されにくくなります。
さらにこの状態だと、頭もぼんやりとして集中力が低下してしまうでしょう。
なので、お腹がいっぱいの時には食事をスキップして次の食事まで待つようにしてみましょう。
食事方法④ちょうど良いペースで食べる
ちょうど良いペースで食べることはアーユルヴェーダにおいて大切といわれています。
25分程度かけて食事をするようにしてみましょう。
現代人は10分~15分程度でささっと食事をしがちですが、それだと骨や髪の毛などの異物に気付かずに食べてしまったり、気管に誤って流れていってしまう可能性もあります。
また、1時間などかけて食べる食事は、食べ過ぎてしまったり満足感が得られづらくなってしまいます。
なので25分程度かけてしっかりと咀嚼し、食べ物が喉を通り、おなかに落ちていく感覚を味わってみましょう。
これによって、気持ち的な満足感はもちろんの事、体も消化をするのにちょうどよい状態になります。
食事方法⑤しゃべらずに心を込めて食べる
アーユルヴェーダでは食事中には食事に集中して食べるのが良いといわれています。
しゃべったりワイワイしながら食べると、何を食べているのかわからなくなったことはありませんか?
また、最近ではスマホをいじりながらやテレビを見ながら食べることもありますよね。
これでは、意識が散漫としてしまって、本来食事によって視覚や味覚が満足するチャンスを逃してしまっていることになります。
もちろん家族や友達と楽しく食べることは、心を満足させるためにはとても良いことです。
なので、そのバランスをとりながら、口に入れている間は食事に集中するようにするなど心がけてみてくださいね。
食事方法⑥好きな場所・好きなもので、好きな人と食べる
好きな場所で、好きなもので、好きな人と食べることは気持ちの満足感を得るのにとても大切なことです。
嫌いな場所で嫌いな人と食べるだけでもストレスですよね。
ストレスはご存知の通り、消化・吸収によくありません。
満足感など得られずに、どっと疲れる結果になってしまいます。
なので、自宅が落ち着くなら自宅で、山が好きなら山でなど、好きな場所を選んで食事をしましょう。
好きな食器を使うことも気持ちの満足度を上げてくれるのにとても役立ちます。
それを一緒に喜んでくれる好きな人と食べることも気持ちが嬉しくなります。
このように、一つの食事でも心が嬉しくなるような食べ方をしてみてくださいね。
アーユルヴェーダ風に楽しい食事方法を試してみて
アーユルヴェーダの食事法は心と体を満足させるために行うことです。
食事をただ栄養をとるものとして義務的に考えるのではなく、この基礎的なことを実践しながらどのようにして楽しむかという側面も大切にしていきたいですね。
これを意識することで、ドーシャバランスが整いやすくなり、元気に毎日を過ごせるはずです。
先ほども言いましたが、もちろんこれは基礎的な食事方法です。
これを実践した上で、次のステップである季節を加味した食事や、ドーシャごとの食事などをやってみるとさらに効果的です。
ピッタだから〇〇を食べないようにしなくちゃとか、ヴァータだから○○を食べなくちゃというものよりも、何より先にこの食事法の基礎を大切にしてみてくださいね。
これだけでも意外と不調が改善されていくケースが多いですから。
もし、これを踏まえて何か相談したいことがありましたら、個人セッションで受け付けていますのでどうそご利用ください。